第19章 鋭さが初めて露わになる

火球が生まれた、その瞬間。

アリシアは「まずい」と悟った。

――今の自分の状態を、甘く見ていたのだ。

魂の損傷で実力が落ちている。それは分かっている。だが、いまの身体は「前の人生」のものだ。魂との噛み合わせは悪くない。けれど、魔力に鍛え抜かれた聖魔導師の肉体ではない。制御の精度ががくりと落ちたところへ、詠唱の強化が乗った。

結果、火球術が――成功しすぎた。

ごうっ、と熱が跳ね、空気が震える。

周囲がざわついた。とはいえ、近くにいた生徒以外は、煙を上げる黒焦げの標的を見ただけだろう。反対側で別の班を見ていたアルビンが歩み寄り、標的を一瞥して眉を上げた。

「……誰が撃った?」

「...

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